整形外科・脊椎脊髄外科
Orthopaedic surgery / Spine surgery

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整形外科について

  • 当院は3名の整形外科医が常勤し、地域に根差した一般整形外科治療と、脊椎脊髄診療に特化した専門治療の二本立てで診療を行なっております。
    一般整形外科治療では、特に関節痛や運動機能障害に対してリハビリテーションを中心とした治療を得意としております。
    また、福岡大学整形外科から非常勤医師を派遣して頂き、より専門性の高い診断・治療をご提供しております。
    外傷による骨折に対しては手術治療まで行なっており、地域の患者様に対して当院で治療を完結できるのが強みです。
    症状によっては自宅生活が困難な場合もあり、精査加療目的に入院し、自宅復帰に向けたリハビリテーションを行うことも可能です。 持病がある場合は、内科や外科など、他科との連携が図れるのも当院の特徴のひとつです。
    さらに、昭和病院ではデイケアや介護施設があるため、退院後の生活までしっかりとサポートすることができます。

    お困りの患者様はぜひ一度整形外科を受診し、お気軽にご相談頂けたらと思います。

脊椎脊髄外科の特徴

当院の特徴は、低侵襲治療を重視していることです。低侵襲治療とは、体の負担が少ない治療のことです。 低侵襲治療を行う上で最も大事な土台となるのが、「正確な診断」です。当然ですが、手術せずに治る可能性が高い患者さんに対してはすぐに手術は行いません。 最も低侵襲な治療は、手術せずに治すことです。しかし長い期間手術せずに治るのを待っていた結果、逆に症状が進行してしまって、その状態で手術をしても回復の見込みが低くなることがあります。 手術のタイミングはとても重要で、そこを見分けるのも正確な診断のひとつです。

  • 患者さんの多くは画像検査で多くの部位に異常があります。
    しかし、ほとんどの場合、症状に関係している部分は1つか2つです。疑わしきは罰するという方針で、画像異常のある部位すべてを手術するという考え方もありますが、 我々は症状と関係ない部分はその時点では手術すべきではないと考えます。正確な診断を行うために、我々は主に選択的神経根ブロック注射を行い、 痛みの原因を特定してからピンポイントで手術を行います。正確な診断を行い、ピンポイント治療を達成するためのツールがまさに脊椎内視鏡手術です。

    内視鏡手術は従来の手術に比べて傷口がわずか数mmと小さく、早期社会復帰が可能です。
以下のような症状でお困りの患者さんは、ぜひ一度脊椎脊髄外科を受診し、
お気軽にご相談頂けたらと思います。
  • 01
    腰・臀部(おしり)~ 大腿(太もも)・下腿(ふくらはぎ)・足の指にかけてしびれや痛みが出現し、日常生活が困難となってきた。
  • 02
    長く立っていたり歩いていくと、足がだるくなってきたり、しびれがでてきて、足が前に出なくなってくるなどの症状が出現し、しゃがみこむあるいは前かがみの姿勢で少し休むとまた歩けるようになる(間欠跛行:かんけつはこう)という症状を認める。
  • 03
    腰をそる、上を向いて寝ていると、臀部から足にかけて電気が走るような痛みが出現してくるようになった。あるいは、横向きでないと寝ることができなくなってきた。
  • 04
    長く歩いていくとつまずいてこけそうになり、膝の力が抜けて歩けなくなってくるのだが、腰を曲げて歩くと長く歩ける。
  • 05
    首から腕や指先にかけてしびれや痛みが出現して、日常生活が困難となってきた。
  • 06
    箸使い、ボタンはめ、書字等がしづらくなってきた。(巧緻運動障害:こうちうんどうしょうがい)
  • 07
    歩いていくと膝がガクッと力が抜けたり、足先がつまずいてこけそうになったりしてきた。
  • 08
    上を向く、うがいをした時などに、首から腕や手の指あるいは背中全体に電気が走るような痛みがでてきた。
  • 09
    手に持ったものを落とすようになり、腕や足に力が入りづらくなってきた。
  • 10
    上を向いて横になると、上肢に痛みやしびれが出現して寝ることができなくなってきた。
  • 自覚症状が軽いからといって放置すると、症状が進行したときに手術をしても治らない場合があります。

新規患者様の診察予約日

・火曜日(午前/午後)
・木曜日(午前/午後)

予約電話番号

092-807-8811

脊椎内視鏡手術について

  • 当院では、背骨(せぼね)の老化による病気に対して、内視鏡を用いて背中(後方)から神経の圧迫を取り除く手術を行っています。 内視鏡手術は傷が小さく(1円玉ほど)身体への負担が少ないため、手術5時間後には立って歩くことができます。 輸血の必要もなく、コルセットも必要ありません。全身麻酔に耐えられる体力さえあれば、特に年齢制限もなく手術することができます。 入院期間は5〜10日程度と短く、早期社会復帰が可能です。 当院では学会に認定された脊椎内視鏡下手術技術認定医が在籍しています。

腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下腰椎椎間板摘出術MicroEndoscopic Discectomy(MED)

椎体と椎体の間には、椎間板と真ん中に髄核(ずいかく)と呼ばれるゼリー状のものがあります。その髄核が何かの拍子に神経に向かって飛び出してくることがあり、この状態が腰椎椎間板ヘルニアです。症状は、足やふくらはぎとふとももに痛みやしびれが起こったり、足や膝に力が入りづらくなったり、尿や便が出づらくなったり(またはもらしてしまったり)します。MEDは内視鏡で観察しながら椎間板を摘出する手術です。

手術適応

ほとんどすべてのヘルニアが適応
中心性ヘルニア / 外側ヘルニア / 椎間孔内ヘルニア / 上方または下方偏移したヘルニア / 再発ヘルニア 等

腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡下除圧術MicroEndoscopic Laminotomy(MEL)

腰部脊柱管狭窄症とは、神経が通る管(脊柱管:せきちゅうかん)が狭くなることで神経の血行を阻害し、痛みやしびれなどの症状がでる病気です。椎間板ヘルニアと同様に坐骨神経痛を起こす病気の一つでもあります。高齢の方に多く、間欠跛行(かんけつはこう)という症状が特徴的です。長く立っていたり歩いていくと足のしびれ・痛みや重だるさが出現し、しゃがんだり前かがみの姿勢で少し休むとまた歩けるようになるという症状をいいます。MEDと同じで、MELは術後の痛みが少なく早く退院できます。

手術適応

腰部脊柱管狭窄症の神経根型、馬尾型、混合型など、従来の切開手術で対処していたすべての症例

手術禁忌

著明な不安定性を認める症例、重度の側弯症を認める症例

腰椎椎間孔部狭窄に対する内視鏡下腰椎椎間孔拡大術MicroEndoscopic Foraminotomy (MEF)

背骨の手術をしたのによくならず、複数回手術が必要になったという方がおられます(failed back surgery syndromeといいます)。椎間孔部狭窄はその主だった原因の一つとされています。内視鏡を用いることで、従来の切開手術では困難であった側方からの除圧操作が可能となりました。そのため金属での固定も必要ありません。MEDやMELと同様に、手術5時間後には立って歩くことができます。

手術適応

従来の固定術で対処していた症例、固定術後の隣接障害 等

手術禁忌

著名な不安定性を認める症例、重度の側弯症を認める症例

頚部脊髄症に対する内視鏡下頚椎後方除圧術Cervical MicroEndoscopic Laminotomy(CMEL)

頚部脊髄症は、両手両足の力が入りにくい、箸が持ちにくい、歩きにくいなどの症状が特徴的です。この症状に当てはまる場合は早期手術が必要になります。従来の切開手術では、頚部痛(軸性疼痛といいます)や首の可動域制限、首の猫背(頚椎後弯)がおこる可能性があります。内視鏡を用いることで、その可能性を少なくすることができ、従来法と同様の治療効果が得られます。

手術適応

主に後方からの脊髄への圧迫要素が中心である頚髄症

手術禁忌

頚椎後縦靱帯骨化症(連続・混合型)、前方要素が主たる疾患

頚部神経根症に対する内視鏡下頚椎椎間孔拡大術Cervical MicroEndoscopic Foraminotomy(CMEF)

従来の切開手術もしくは顕微鏡手術で行われている方法と同様に、後方から病変部にアクセスし手術を行います。傷が小さいこと、術後疼痛が少ないこと、早期社会復帰が可能なことに加え、鮮明に拡大されたモニター上で行えることで、より繊細な手術が可能です。

手術適応

頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性筋萎縮症 等

手術禁忌

著明な不安定性を認める症例、正中ヘルニア

内視鏡下腰椎椎体間固定術Microendoscopic Extraforaminal Lumber Interbody Fusion(MELIF)

内視鏡を使った腰椎固定術は、内視鏡やネジを挿入する小さな傷のみで、とても低侵襲な手術方法です。従来の切開手術と違うもっとも良い点は、神経自体に触らずに手術ができること、骨や関節をほとんど削らないことです。また、致命的な合併症や出血が少ないのも特徴で、変性すべり症(不安定性が大きいもの)、分離すべり症、再狭窄などに適応があります。

手術適応

内視鏡下除圧術で対応できない症例
例)分離すべり症(両側症状)/ 重度の不安定性を認める症例 / 重度の側弯症を認める症例 / 手術後同じ部位の再発症例

手術禁忌

インプラント関連合併症の危険が高い症例(重症骨粗鬆症など)

骨粗鬆症性椎体骨折(圧迫骨折)に対する経皮的椎体形成術(BKP)について

骨粗鬆症のため弱くなった背骨(せぼね)は、弱い力が加わっただけでも骨折が生じてしまいます(圧迫骨折といいます)。圧迫骨折は痛みが強く、しばらく寝たきり生活になることもあります。高齢の方ほど、経皮的椎体形成術によって早く痛みをとることで寝たきりにならずに済み、自分の足で立って歩くことで様々な合併症を予防できます。

手術方法
経皮的椎体形成術は、骨粗鬆症性椎体骨折による痛みを取り除く新しい治療法であり、2011年より公的保険が適用されました。全身麻酔下で背骨に2か所、約5mmずつ皮膚を切開し、そこから細い針を骨折部分に挿入します。その針を介して風船を骨折部分に設置し、ゆっくりと潰れた骨を整復・復元します。整復後に除去した風船のスペースにセメントを注入して、骨折を人工的に接合します。手術翌日より歩行を開始し、入院期間は5〜10日程度です。また、手術後はコルセットを装着します。

腰椎椎間板ヘルニアに対するヘルニコア注射治療について

椎間板内に薬剤を注射し、水分によって膨らんだヘルニアを小さくし、神経の圧迫を取り除く方法です。7~8割の人に効果があると考えられています。投与後1~2週間以上たってから、徐々に痛みがとれていきます。痛みが残っている間は、しばらく鎮痛剤を服用してもらうこともあります。手術よりゆっくりと痛みがとれていきますが、手術と比べると、費用負担が少ない、入院期間が短く、日帰りも可能、侵襲性が小さいといったメリットがあります。

医師紹介

  • 柴田 遼Ryo Shibata

    専門分野
    脊椎内視鏡下手術
    (MESS:MicroEndoscopic Spine Surgery)
    資格
    ●整形外科専門医
    ●日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
    ●脊椎脊髄外科専門医・指導医
    ●日本整形外科学会脊椎内視鏡下手術技術認定医
    経歴
    2003年3月 福岡県立城南高校 卒業
    2011年3月 高知大学医学部 卒業
    2011年4月 福岡徳洲会病院
    2013年4月 福岡大学整形外科入局
    2017年4月 和歌山県立医大・角谷整形外科へ国内留学
    𠮷田 宗人先生に脊椎外科を学ぶ
    2020年4月 福岡大学整形外科 助手
    2022年4月 現職
  • 荒木 剛Go Araki

    専門分野
    整形外科
    資格
    ●日本整形外科専門医
    経歴
    2002年4月 福岡大学整形外科 入局
    2003年4月 川浪病院
    2004年4月 久垣病院
    2005年4月 佐賀県立病院好生館
    2006年4月 福岡大学病院
    2007年4月 福岡大学筑紫病院
    2008年4月 久垣病院
    2010年4月 当院
    2011年4月 壱岐市民病院
    2012年4月 久垣病院
    2016年4月 現職

整形外科で手術を受けられる患者さんへ

日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究について

研究機関   昭和病院 整形外科
研究責任者  荒木剛(部長)
このたび昭和病院 整形外科では、運動器の病気で入院・通院されていた患者さんの診療情報を用いた研究を実施しております。この研究を実施することによる患者さんへの新たな負担は一切ありません。また、患者さんのプライバシーの保護については法令等を遵守して研究を行います。 あなたの試料・情報について、本研究への利用を望まれない場合には、担当医師にご連絡ください。

1. 研究の目的 及び 意義

この研究の目的は、運動器疾患の手術に関する大規模データベースを作り上げることです。整形外科が扱う運動器疾患は、小児から高齢者まで幅広い方々を悩ませ、多くの方の健康寿命を損なう大きな原因となっています。その治療である手術の件数も年々増加していますが、その全国規模の全容を捉えられるデータベースが まだありません。全国の整形外科で情報を共有できるシステムを作り上げることは、有効な治療法や手術の安全性を科学的に確立するために大変有用です。日本整形外科学会が作りあげるこの大規模データベースに参加・協力し、より良い治療を探って参ります。

2. 研究の方法

①研究対象者
2020年4月~2030年3月の間に昭和病院 整形外科において、運動器の手術を受けられた方を対象とします。人工関節手術、関節鏡視下手術、脊椎手術、骨折治療の手術などが対象となります。
②研究実施期間
2020年4月1日より2030年3月31日まで
③研究方法
インターネット上のデータベースへ登録します。
④使用する試料・情報
インターネット上のデータベースへ登録します。
研究に使用する試料 無し 研究に使用する情報  匿名化したID、年齢、性別、ハッシュ値(氏名、性別、生年月日などから算出される文字列)、疾患情報、手術情報、手術・麻酔時間、手術日、術者情報、看護師数、技師数、治療成績、使用した器材・インプラント など。情報を提供して下さった患者さん個人が特定できないよう、これらの情報は完全に匿名化されてデータセンターへ提出されます。調査項目の詳細は、JOANRのホームページの「情報公開項目」をご覧ください。
⑤試料・情報の保存
登録されたデータはデータセンター(日本整形外科学会)の責任下に保存されます。保存期間は本研究終了(あるいは中止)後5年間とします。
⑥研究計画書の開示
研究に関する情報(研究計画書等)を日本整形外科学会ホームページおよびJOANRホームページに公開します。
⑦研究成果の取扱い
ご参加頂いた患者さんの個人情報がわからないようにした上で、診療報酬改訂に向けた実態調査などの政策対応、専門医制度のための症例データベース、医療機器の安全性向上に資するデータベース構築、また学術論文などの公表に日本整形外科学会員又は関連学会員が用います。
⑧外部への試料・情報の提供
保存された情報等は他の医学研究への利用を目的に提供されることがあります。その際にはデータの提供の可否について日本整形外科学会は倫理委員会の意見を聞き、そこで適切と判断された場合に限ります。 情報を他の営利団体、民間の機関(規制機関など)に提供する場合があります。登録した医療材料に有害事象や不具合が起き、医学的・人道的な観点からその情報を製造販売企業や審査機関に提供すべきと判断される場合です。いずれも提供されるデータは、データセンターに登録・保管されている情報で、研究に参加して下さった患者さんの個人を特定できる情報は含まれていません。
⑨研究組織
昭和病院 整形外科
〒819−0375 福岡市西区大字徳永字大町911-1

公益社団法人 日本整形外科学会
理事 種市 洋(症例レジストリー委員会担当)
〒113-8418 東京都文京区本郷2-40-8
Tel. 03-3816-3671 Fax. 03-3818-2337
⑩お問い合わせ・連絡先
この研究についてご質問等ございましたら、お問い合わせ下さい。また、あなたの試料・情報が研究に使用されることについてご了承いただけない場合には研究対象とはしませんので、お申し出ください。資料・情報の使用を断られても患者さんに不利益が生じることはありません。なお、研究参加拒否の申出が、既に解析を開始又は結果公表等の後となり、当該措置を講じることが困難な場合もございます。その際には、十分にご説明させていただきます。

アクセスAccess

  • 〒819-0379
    福岡市西区北原2丁目2-6

    TEL:092-807-8811
    FAX:092-807-8952

    平日 / 午前 9:00~12:00  午後14:00~18:00
    土曜 / 午前 9:00~13:00

    福岡市営地下鉄・JR筑肥線利用
    JR「九大学研都市駅」下車 徒歩5分
    J昭和バス「北原」下車 徒歩1分
    福岡市内(天神)方面
    西九州自動車道 今宿ランプより約5分
    唐津方面
    西九州自動車道 周船寺ランプより約5分